断熱性能基準「HEAT20」で人にも環境にも優しい家づくりを 2024.04.25
2024.04.25住宅の断熱性能を調べていると、よく目にするのが「「HEAT20(ヒート20)」という基準です。
住宅の省エネ性能基準としては、ZEH基準という言葉を聞いたことがある方も多いかと思いますが、HEAT20は住宅の断熱性に特化した、さらに厳しい基準として注目を集めています。
今回は、このHEAT20がどのような基準なのか、この基準に適合したマイホームを建てることでどんなメリットがあるのかについて解説します。
目次
1.HEAT20とは?
2.HEAT20のメリット
3.HEAT20の基準とグレード
人にも環境にも優しいHEAT20基準の注文住宅
■HEAT20とは?
HEAT20とは、2009年に発足した「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が提唱する、地球に優しい高断熱住宅の基準のことです。
住宅の省エネ性能の基準として知られる「ZEH基準」との違いは、ZEH基準が断熱性能・創エネ設備・省エネ設備などの複合的な基準に基づいているのに対し、HEAT20は断熱性能(UA値)のみに着目している点にあります。
断熱性能に特化した基準ということもあり、HEAT20における断熱基準は、ZEHの断熱基準よりも厳しい数値が設けられています。
断熱性能の高い家に住みたい場合は、「HEAT20に適合した住宅かどうか」に注目するとよいでしょう。
■HEAT20のメリット
HEAT20に適合した住宅を建てるメリットは、大きく分けて3つあります。
① 1年中快適な住環境を保てる
断熱性能の高い住宅は、外気の影響を受けづらいのが大きな特徴。夏は涼しく冬は暖かい室温を保つことができ、快適な毎日を過ごせます。
② 光熱費の節約になる
同じ冷暖房器具を使用した場合、断熱性能の高い住宅の方が少ないエネルギーで快適な温度を維持できます。空調効率の高い家に住むことで、光熱費の節約効果が期待できます。
③ 体への負担を軽減できる
断熱性能の高い住宅は、ヒートショックなどの原因となる部屋間の室温差が発生しにくいのも大きなメリット。低温によって引き起こされるさまざまな健康被害を防ぐこともできます。
■HEAT20の基準とグレード
現在の日本では、日本全国を気候条件に応じて8つの地域に分類し、地域ごとに異なる省エネルギー基準が設けられています。
滋賀県の場合は、草津市・守山市・近江八幡市の3市が6地域、それ以外の地域(大津市・栗東市・高島市等)が5地域です。
HEAT20には「G1」「G2」「G3」という3段階のグレードに分かれており、数字が大きいほどグレードが高くなります。また、地域やグレードによって基準値やUA値(外皮平均熱貫流率)が異なります。
3つのグレードの水準と地域ごとのUA値は、以下の表のとおりです。
HEAT20においては、暖房を使用する冬季に、室内での体感温度が10~15℃を下回らないことを基準としています。
住宅が備えるべき断熱性能は、求めるグレードや家を建てる地域によって変動します。注文住宅を建てる際には、住宅会社の担当者とよく相談しながら、地域や希望に合った断熱性能の家を建てることを意識しましょう。
■人にも環境にも優しいHEAT20基準の注文住宅
HEAT20基準に適合した注文住宅は、環境への負荷が少ないだけでなく、温度変化の少ない、快適で省エネな家づくりにも役立ちます。
家のデザインや間取りに加え、断熱性能を意識した家づくりで、快適に暮らせるマイホームを手に入れましょう。